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2015年から本格的に韓国語の勉強をスタート!2019年10月にTOPIK6級取得しました!

ドラマ、映画

韓国映画「ユンヒへ(原題:유희에게)」を観ました!

投稿日:

誰でも観られる、誰にでも観て欲しいレズビアン作品

 

안녕하세요?

oulmoon입니다.

 

 

お正月に映画を観てから、映画館での鑑賞にはまっています。(コロナ渦中ではあるけども、むしろ人が少なくて快適です)

 

いつもは「わざわざ映画館までいかなくても」ってスタンスなんですが、一度行くとしばらく通ってしまいます。

 

職場が渋谷だった時は、アップリンク渋谷で会員登録していたので時々通っていたのですが、コロナの関係で渋谷店が閉館。

そこからは映画館から遠ざかっておりました。

 

で、お正月を皮切りに「シネマート新宿」さんにちょこちょこ行くようになり、先日会員登録もすませました。

 

なにせ、ここの会員特典が結構よかったのです!

 

 

普段でもチケットが600円くらい安くなるのに、会員サービスデーだと800円も割安に!

 

しかもたまたま通勤の途中によれるので、仕事帰りの夜とかでもいける!

 

これは使わない手はないということで、最近はよく通っております。

 

 

そんなわけで、今日は1月中旬に見た韓国映画のご紹介です。

 

お正月に観た2作品の本編前にこの作品の映画紹介をみて、その青く静かな映像に心惹かれた作品です。

見終わったあとに作品を思い返して、またその中に沈みたくなる、そんな作品でした。

 

 

 

韓国映画「ユンヒへ」

(以外、すべての画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=128144

 

 

原題:윤희에게

韓国公開日:2019年11月14日(釜山国際映画祭:2019年10月12日)

日本公開日:2022年1月7日(大阪韓国映画祭:2020年11月22日)

ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、

監督:イム・デヒョン

キャスト:キム・ヒエ、中村優子、キム・ソヘ、ソン・ユビン、木野花、ユ・ジェミョン(特別出演)ほか

上映時間:106分

韓国観客数:123,477(韓国) 

 

 

▼参考にどうぞ

 

ナムウィキ(윤희에게)

 

Daun(윤희에게)

 

公式サイト(日本)「ユンヒへ」

 

Wikipedia(日本)「ユンヒへ」

 

 

 

【概要】

2019年、第24回釜山国際映画祭のクロージングを飾り、2020年には韓国のアカデミー賞ともいえる青龍映画賞で最優秀監督賞と脚本賞をW受賞した韓国映画。

これが長編2作目となる新鋭のイム・デヒョンが岩井俊二監督の「Love Letter」にインスパイアされて小樽で撮り上げた話題作である。

中年女性同士の心に秘めた恋の記憶と苦難の人生模様が、冬枯れた韓国の地方都市と小樽の美しい雪景色のなかで交差する異色のラブ・ストーリー。

一通の手紙をきっかけに、母の秘密に触れた娘が差出人の住む小樽へ母を誘い出したことで、秘められた切ない恋の記憶が静かに呼び覚まされていくさまを描き出す。

 

主人公のユンヒを演じるのは、長年ドラマや映画で活躍し、昨年韓国で放送された大ヒットドラマ「夫婦の世界」で数々の賞も受賞したベテラン俳優のキム・ヒエ。

日本人女性ジュンに「野火」、「ストロベリーショートケイクス」の中村優子。

ユンヒの娘セボムに元I.O.Iのキム・ソへ、セボムのボーイフレンドにソン・ユビン、ジュンの伯母に木野花、ユンヒの元夫に「梨泰院クラス」などのユ・ジェミョン、ジュンを慕うリョウコに瀧内公美など、韓日の演技派が出演している。

 

これまで韓国では正面から描かれることが少なかった中年女性の同性愛と彼女達が経験してきた抑圧を真摯に描き出し、韓国のLGBTQ+コミュニティや女性達から熱狂的な支持を受けた。
数々の映画祭でも評価さえ多くの賞を受賞、日本では2020年11月に第6回大阪韓国映画祭にて同タイトルで上映されている。

 

 

 

【受賞】

 

第24回釜山国際映画祭 – クィア・カメリア賞(『ユンヒへ』)

第41回青龍映画賞 – 監督賞(イム・デヒョン)

第41回青龍映画賞 – 脚本賞(イム・デヒョン)

第40回韓国映画評論家協会賞 – 監督賞(イム・デヒョン)

第40回韓国映画評論家協会賞 – 脚本賞(イム・デヒョン)

第40回韓国映画評論家協会賞 – 音楽賞(キム・ヘウォン)

第40回韓国映画評論家協会賞 – ベスト映画10選(『ユンヒへ』)

第18回フィレンツェ韓国映画祭 – 監督賞(イム・デヒョン)

第7回韓国映画製作者協会賞 – 主演女優賞(キム・ヒエ)

フェロー島映画祭 – 助演女優賞(キム・ヒエ)

第21回釜山映画評論家協会賞 – 新人女優賞(キム・ソヘ)

第40回黄金撮影賞 – 新人女優賞(キム・ソヘ)

 

 

 

【あらすじ】

韓国の地方都市で暮らすシングルマザーのユンヒ(キム・ヒエ)のもとに、小樽で暮らす友人ジュン(中村優子)から1通の手紙が届く。

もう20年以上も連絡を絶っていた2人には、互いの家族にも打ち明けていない秘密があった。

その手紙を盗み見てしまった娘のセボム(キム・ソヘ)は、母の秘密を知り、ある計画をたてる。
娘から高校最後の記念旅行だと強引に誘われ、ジュンの暮らす小樽へ旅立つユンヒ。

 

20年前に、一体何があったのか?

控えめな言葉と降り積もる雪に隠されながらも、真実は物語が進むにつれて徐々に輪郭をあらわしていく……。

白い雪が降る静かな小樽で20年前の自分と向き合う、それは心の旅でもあった―。

 

 

 

 

【感想】

なんとなく予告を観ていたときから主役2人の関係性には気づいていたけど、それ以上は前情報は何もいれないで観た方がいいかなと思って観ました。

 

公式にもその事は紹介され済みなので知っていても何の問題もありませんが、前情報があろうがなかろうが、人の心とか私たちの住む社会とか色んなことを押し付けがましくなく伝えていて、じんわりと考えさせられるいい作品だと思います。

 

 

控えめな表現の積み重ねが心に響く

主役の2人が出会ったのは20年以上前の韓国。
今でも差別はありますが、今以上にLGBTに理解はなく、主人公たちはどんな想いで生きていたのかと思うと、なんとも言えない気持ちも芽生えました。

 

それぞれが住む町で本当の自分を隠して生きている姿からせつなさも感じましたが、もっと別の感じ…。

強いていうなら、2人へのもどかしさを感じ、そんな自分の浅はかさから更に生まれる情けなさ…みたいな感じかな。

 

私が考えたような浅はかな「自由」なんてものは、当時の2人には叶えられるはずもなく、ずっとそれぞれの人生を社会にあわせて生きてきた彼女たちの想いを、しんしんと降り積もる雪が表しているようでした。

だからこそ、雄弁に語られるよりよっぽど染みる。

素晴らしい演出だなと感じました。

 

 

韓国で同性愛を描くことの難しさ

ドラマにしろ映画にしろ、作り手は作品からメッセージを発信していても、観る側はどこかフィクションとして受け取ってしまうのが一般的だと思います。

それは今回のような題材なら、当事者じゃない人たちには尚更な気がします。

 

特に宗教上の問題や国の方針によってずっと同性愛をタブーとしてきた国なら、時代は変わっても、一部の人々が訴えたとしても、現実には受け入られないことが多い。

 

本作の製作国である韓国では、最近こそ同性愛を扱った作品も製作されるようになりましたが、2000年代でも同性愛やトランスジェンダーに関する作品はタブーとなっていました。

 

その理由は、韓国は同性愛を精神疾患として扱ってきた過去があるからのようです。

私はこの事実を「ユンヒへ」を観てしりました。

作中でもそこに触れる部分があり、「そんな考えするんだ」と思ってちょっと調べたら、そんな概念が少し前まであったと知り、しかもそれがまだ一部では受け継がれているため、今でも風当たりは強いとしって衝撃でした。

 

そんな背景もあるので、イム・デヒョン監督がこの作品を世に出したことは日本で同じことをするより遥かに大変だったろうと感じました。

 

また、それを知っている韓国人と、そうではない日本人だとこの作品の共感度も変わってくるだろうなととも思いました。

 

 

※ネタバレ嫌なかたは飛ばしてください※

 

以下、ネタバレになったらごめんなさい。

 

ラストの方で、ジュンが書いた手紙に「この手紙を書いている自分を恥じていない」と伝えるシーンがあるのですが、中盤ではレズビアンの女性に「私は母が韓国人である事をずっと隠してきた」「(それを明かすことで)自分にいい事が何もなかったから。あなたも何か隠している事があるならそれをずっと隠し通すべき」と伝えています。(流れてきには手紙を書いた後のセリフ)

 

その矛盾が、彼女たちが過去に他人から受けてきた、もしくは自分達で無意識に感じた圧迫の結果だとしたら、本当に悲しいなと感じました。

そしてその辺りは、韓国の人の方が肌感覚で理解するのではないかとも。

当時学生だったユンヒとジュンも、お互いの感情を「愛」だと表現することも許されないまま、あるいは自分達でさえも気づけないまま、気持ちに蓋をしてしまいました。

そしてそのまま、自分の一部をずっと無くしたままのような状態で生きてきました。

 

だからユンヒの元旦那さんも別れた理由を「一緒にいると悲しくなる」的な表現をしたのだと思います。(セリフは違うかも💧)

ぽっかりと穴が空いたような状態で生きている人の傍で愛情を注ぎ続けても、自分の無力さに結婚生活を続けることが出来なかったのかも。

 

さらに、ジュンの場合は「日韓ハーフ」と言うマイノリティを抱えて生きていたという背景もあるので、その辺の「社会からの目」に対しては余計に敏感で心を閉ざしやすい環境だったのかもしれません。

 

個人手には「時代が違う」とか「個人の自由」という想いは変わりませんが、現実にはなかなか難しい問題です。
人の心に関係する問題だからこそ。

だからその部分を丁寧に優しく描いた上で、メッセージもちゃんと伝えているこの作品はすごいなと思いました。

 

 

不自然さが一切ないキャラクターたちにやられる

ネガティブに感じそうなことを沢山書きましたが、そういう背景があったとしても、穏やかな救いも沢山あります。

前文にも書きましたが、この作品は押し付けがましい部分がありません。

全体的にセリフは少ないけれど、その代わりに、ユンヒとジュン、ユンヒの娘、ジュンの叔母という3世代のキャラクターたちが、それぞれの時代にあった価値観や概念の変化を表し考えさせます。
その辺りも素晴らしいなと思いました。

 

キャラクターは今回はそれぞれピックアップしませんが、皆さん素晴らしいです。

不自然な存在がなく、過剰な演技やセリフがなく、物語に自然に溶け込んでいます。

 

個人的に一番感動したのは、ジュンの叔母さん役の木野花さん。


この作品で最初に涙したのは、彼女がジュンにハグを求めるシーンでした。

その慈愛の深さに感動したし、ジュンが今日まで生きてこられたのは、マサコが静かに寄り添ってくれたからだと作品全体から感じとりました。

 

 

また、ユンヒの娘のセボムの魅力的なこと!

▲彼氏もいかにもな「男らしい男」じゃないのがよかった!

 

彼女の名前、「春(봄)」に関連しているそうです。
冬の雪解けに必要な春。
その役割をそのままに担っていた彼女。

 

世代の違う2人の女性の存在が、ユンヒとジュンをまた繋いでくれたのだと余計に胸が温かくなりました。

 

それと、元旦那のインホ役のユ・ジェミョンさんもいい味だしてました。


インホさんはとても優しくて、誠実で、結婚は続かなかったけど、せめてお相手が彼でよかったと思うような人でした。
ユンヒと大事な話をした際に、最後にしたハグにもジーンとして涙が。

 

 

そんなキャラクターたちを観ていると、

世界には色んな人がいて、色んな思いがあって回っている。
色んな思いが世界にはあるけど、きっと愛で愛を支えている。

そんな想いを改めて感じて無性に大切な人たちに会いたくなりました。

 

▲ジュンの飼ってるニャンコもかわいいー

 

 

最後に

それにしても、冬の小樽というのは情緒的な雰囲気を持っているのですね。

私はプライベートでは、小樽どころか北海道も旅行したことがなくて全く知らないのですが、この作品の持つ雰囲気にとても合う素敵な街だと思いました。

そういう部分だけを切り取っただけだとしても、街が持つ特有の香りを楽しめそうだなと。

 

韓国でのシーンも、地方都市という設定になっているからか、落ち着いているけれど平凡な毎日を坦々と描かれています。

そんな静かな物語を物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、私にはとてもリアルに感じられました。

 

 

マサコさんをはじめ、何度も繰り返される

「雪はいつやむのかしら…」というセリフに込められたメッセージもとても深い。

雪が降れば坦々とかき、雪道を日々歩く。
積雪が生み出す夜の静けさと、その中に閉じ込められた過去の面影とともにある生活。

 

そして、月と雪に封じ込められた過去の記憶がゆっくりと溶けて動き出す瞬間。

ユンヒとジュン、2人の再会のシーンは長い時を経て再会したのに坦々としています。

まるでゆっくりとお互いを確かめ合うかのように、心の空洞を埋め合わせるかのように。

最後まで静かに進むこの作品のテンポにフッと笑顔になりました。

 

 

最後に監督の言葉も載せておきます。

「韓国と日本の女性は確かに違います。
しかし、男性中心的な社会秩序が強固に成立した国で生きてきたという点では似ていると思いました。
『ユンヒへ』で東アジアの女性たちが互いに連帯し、愛を分かち合う姿を見せたかったのです。 ―イム・デヒョン」

 

 

元々は「満月」というタイトルだった本作。

劇場で購入したパンフレットには、なぜ「ユンヒへ」にしたのかなども書かれていました。
「ジュン」という名前にした理由なども書かれていました。

 

そうそう。

 

一つ前に観た作品が「雨とあなたの物語」だったせいか「手紙繋がり」ということにも、不思議な気持ちになりました。

恋愛というのは「待って期待する」時間によって育つ要素が大きいのだなと。

そんな時間はなくても愛おしさとか悲しさとかは育つことが多いと思うけど、せつなさは多分そこから生まれるんだなと。

 

 

パンフレットの最初と最後に、作中で読み上げられる2人の手紙が載っていて、その辺が似てたのも妙に嬉しくなってしまった。

 

そういうのもぜーんぶ含めて、改めてこの作品をもう一度観たくなりました。

 

今ならまだ映画館で観れる人も多いかな?(2022.2月現在)

興味を持ったかたは、ぜひ!

 

 

おまけ▼パンフレットにあった小樽ロケーションMAP

小樽にいってみたい!

 

 

では、長くなりましたが今回はここまで!

 

 

今日も見てくださって、ありがとうございます!

また次回の更新でお会いしましょう

 

 

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