안녕하세요?
oulmoonです。
3回に渡って韓国ドラマ「オクラン麺屋(옥란면옥)」に関連する記事を書いてきましたが、今回がまとめのラストです。
今回は確かにドラマに関連して感じたことではありますが、もっと広い意味での話になります。
でもまぁ、せっかくなので今回も▼
KBS 秋夕特集ドラマ「オクラン麺屋(옥란면옥)」
公式ホームページ → ★
韓国放送：2018.09.26 KBS
監督 : キム・ジョンヒョン
脚本 : チョ・ヨン
出演 : シン・グ、キム・ガンウ、イ・ソル、イン・ギョジン、チェ・デチョル他
2部構成：1部「平壌冷麺が一番！」 ：2部「心に残る忘れられない人」
あらすじ
平壌冷麺一筋で韓国統一を願っているダルジェ（シン・グ）、40歳になっても父の元を離れられないダルジェの息子ボンギル（キム・ガンウ）。
70年続く冷麺専門店「オクラン麺屋」を継ぐため毎日冷麺を作るも、父親からは一度も許しを得られないボンギル。
さらにお店が土地開発による立ち退きを迫られ、親子の仲はますます険悪に。
そんなある日、ボンギルはカラオケでコンパニオンとして働くヨンラン（イ・ソル）に出会い…。
ダルジェ(シン・グ)
70年続く平壌冷麺専門店「オクラン麺屋」の一代目。
病気をしてからは体が不自由になり、お店に立てなくなった。
二代目のボンギルのふがいなさと、地元の土地開発による立ち退き話にいつも激怒している。
南北戦争で生き分かれた元妻のオクランを今でも想い、90近くなった今でも彼女との再会を切に願っている。
さすがの名演技で、今回も「頑固爺」見事に演じ切っています。
いつもは厳しい人ですが、自分が大切なものに対しての愛情はとても深く、家族を守ろうとする姿勢はとても素敵です。
オクランが恋しすぎて、たまに非常識な発言もありますが…。
ボンギル(キム・ガンウ)
オクラン麺屋の二代目。
もうすぐ40になるというのに、「彼女なし」「お金なし」「仕事もできない」というダルジェのさえない一人息子。
ダルジェと後妻に入った女性との間にできた息子だが、母親は昔逃げてしまい父親と二人暮らし。
どうにかしてオクラン麺屋と平壌冷麺から逃げ出したいと思っている。
これでもかというくらいダメダメな役柄を、まるで違和感を感じさせることなく自然体で演じています。
しかも合間合間で女性心をくすぐるような弱さや強さを見せてくる！
感情を揺さぶるその演技力は、彼もまたさすがと言わずにいられません
ヨンラン(イ・ソル)
名前しか分からない、ミステリアスな存在。
ダルジェのお墨付きをもらうほど、平壌冷麺の作るがのうまい。
ひょんなことからオクラン麺屋で住み込みで働き始める。
まだ新人ですが、北朝鮮訛りに近い話し方がすごく上手くて、存在感もすごいです。
正体がわからずミステリアスなのに、透明感と清純な雰囲気もあります。
あまり北朝鮮の訛りって聞くことがないのですが、「あー、こういう感じなんだ」と分かったのも良かったな。
今回が日本初放送だったので、また再放送もあったときは是非見てみてください！
世代によって重要度の異なる「南北統一」
今回のドラマについて話していて、先生が興味深い話を聞きました。
そもそもは「脱北の難しさ」「ブローカーに騙されて売られていく女性たち」について話していたんです。
北朝鮮から逃げられると信じて進んだ先で、騙されて風俗の世界に売られたり、嫁にされて死ぬまで自由がないなんて。
前回の感想でも書きましたが、同じ女性としても、その先の見えない生き地獄を思うと絶望に陥るのも分かります。
そもそも経済的に困難な国民が大半の北朝鮮で、逃げるための大金を作ること自体、とんでもなく大変なはず。
しかも、北朝鮮は隣家レベルでお互いを監視しているので、もし家族の誰かが逃げることが出来ても残された家族は密告されて死刑になることが大半だそうです。
一家全員で逃げられるお金を準備するなんて、夢のまた夢。
どう転んでも苦しみしかない一生なんて考えたくもないですよね。
それがもし南北統一が叶ったら、全てが一気に解決するんだったら…。
そう思って「そりゃあ、みんなが南北統一を望むのも分かりますよ。ムン大統領のやり方は理解できないけど」といったところ 先生から返ってきたのは予想以上の言葉でした。
「南北統一なんてありえないですよ。 というか、したら韓国は崩壊するから、絶対しちゃだめですよ！」
統一が簡単じゃないからあり得ないといわれていると思いましたが、違いました。
韓国の若い人たちは、そこまでこだわっていないようです。
先生曰く
「生き別れになった家族がいるおじいさん、おばあさん世代ならそう思うのも分かりますよ。
実の家族や恋人とか、大切な人なんだから。
生まれが韓国だろうが北朝鮮だろうが、失ってしまった故郷に対して想いが強いのも分かります。
でもね！
生まれた時から南北が分断されていた世代は、もともとそうなんだから基本的には思い入れはそんなにないんです。
そもそも『同じ民族』って強調するけど、南北戦争の時に北朝鮮が韓国人を何人殺したと思います？
300万人ですよ！
いまでさえ人口は5000万人なのに。
たとえ戦時中だからといったって、同族でですよ。
日本が韓国を占領した時に多くの人が殺されたと騒いでいるけど、その時に殺された人数のほうがよっぽど少ないですよ。
しかも今の韓国の経済状況で、さらに南北統一なんてしてみなさい。
韓国は一気にアフリカの貧困地域並みに大変なことになりますよ。」
韓国語と日本語をごちゃまぜにしながら先生が一気に感情的に話すので、びっくりしましたが
でも言われてみれば、おっしゃることはよーく理解できます。
実体験している世代とは違って、見聞きしただけでは感覚も異なりますよね。
今でさえ８放世代として希望が見えない時代に生きているのに、更に悪化する可能性が高いと分かっていたら…「気持ちがわかるけど、統一はしなくてもいい」と思うのがリアルな感情かもしれません。
まぁ、先生は意見をはっきり言う人だし、日本びいきな人なので、ここまで強くいわれたのだろうとも思っていますが。
それでも「南国統一されないことで、いまでも心身ともに苦しんでいる人が両国にいる」ということと
「南北統一が現状においてどれだけ難しいことか」ということをどちらもちゃんと理解していないといけないなと感じました。
海外ドラマを見ることで、これだけ色々考えさせらるというのもすごいことだと思います。
いわゆる「娯楽ドラマ」も面白くてすきですが、こういう経験も時々はしなくちゃいけませんね。
いやー、今回はレッスンもひっくるめた上で、いいドラマを見たなと感じました。
今回の意見はあくまで先生個人の意見ですし、個々によって意見がちがうのも当然だと思います。
だからこそ、色んな立場の人の意見を聞いてみたいです。
きっとその意見によっては私も冷静でいられないこともあるかもしれないけど、それも含めて世界が広がる気がします。
というわけで、今回はここまで。
今日も見てくださって、ありがとうございます！
また、よろしくお願いします
