韓国語を学びながら、日本の面白さも再認識する
안녕하세요?
oulmoon입니다.
私のもっていたEBSラジオの「楽しい日本語」のテキストが修了し、今は先生から送ってもらったデータ(日本語を勉強している韓国人のために作られたテキスト)で、似たようなレッスンをしています。
レベル的には中級以下なので、今更な内容だったりニュアンスが違うこともあるかもしれませんが…
新しい発見もあると思うので、楽しみながら進めていきます
先生が直接写真を撮られているのですが、ちょっと見にくい部分もあると思います。
そこはご容赦くださいませ!
それでは本題です。
今回は、北海道をテーマにした内容です。
メインテーマ「文化を覗く!―北海道 홋카이도―」
チェックした単語あれこれ
・우리나라 (直訳)我が国 → 韓国
日本人がこの単語を使うと、当然「日本」と訳します
・유제품 乳製品
・활게 (直訳)活蟹 → 毛蟹
韓国では、わざわざ蟹の種類など分けることは少ないそう。たらば蟹でもずわい蟹でも毛蟹でも基本的に게(蟹)というそうです。
・최고라고 말하기에 주저하지 않는다. (直訳)最高だと言うに躊躇しない、憚らない → 最高だと言える
「自信を持って言える」というニュアンスがあります。
・많은 볼거리를 제공해준다. (直訳)多くの見所を提供してくれる → 見所満載だ。
・도심 한복판에서 都心のど真ん中で
・손꼽히다 数えられる
・자랑거리[자랑꺼리] 自慢の種、自慢するに足ること、自慢話
・일본인조차도 日本人でさえ
・만끽하다 満喫する
끽を使う単語は만끽하다くらいだそうです。
漢字語の「喫煙(끽연)」もありますが、普通は흡연を使います。
どんな意味?「홋카이도에서의 기묘한 사건」
テキストの中に、「イチゴちゃん」という幼い女の子の日記が出てきます。
元々は日本語で書かれた日記を韓国語に訳してあるのですが、使われている文字はかわいいし(読みにくいけど)、内容も簡潔で分かりやすいものでした。
でも単語などチェックが必要なものもあるし、日本語特有の表現を韓国語にしたりしているので、こちらも楽しみながら読んでみてくださいませ
▲送られてきたものをそのまま載せているので、なかなかの斜めっぷりですみません
チェックした単語あれこれ
・(✕)먹고 왔다오… → (○)먹고 왔다. 오…
・게살, 탱탱!! 蟹の身、プリプリ!!
게살,새우살,피부など、「プルンプルン」と弾力があるものには탱탱하다を使います。
お肉など「むっちり」「ぽってり」な感触は통통하다を使います。
・쏜살같이 一目散に、矢のように、素早く
・쏜살같다 射られた矢のようだ、非常に速い
・조금만 소리만 나도 두렵고 두렵다. 少し音がしただけでも怖くて怖くて。
この一文は前の좀처럼 잠을 잘 수 없었다.にかかっています。
所謂「倒置法」ですね。
・모처럼 っかく、わざわざ、久しぶりに
今回の内容は楽しい北海道旅行かと思いきや、想像と全く違った展開でビックリしました!
しかし、いつも強気でお転婆なイメージのイチゴちゃんも、オバケは怖いんですね。
初めての北海道旅行が残念な感じ可愛そうでしたが、なんだか可愛かったです。
おまけ!「小樽」
・낭만 ロマン
・눈 덮인 雪におおわれた
・언덕길 坂道
日本語特有の表現あれこれ
上のイチゴちゃんの文章で出てきた日本語の中で、日本語特有なものをピックアップしているコーナーです。
テキスト画像をそのまま載せようかと思いましたが、見にくかったので改めてまとめました。
①その夜はなかなか眠れなかったよ。
「なかなか」가 뒤에 부정을 수반하는 경우「~좀처럼, ~그리 간단히는」라고 해석된다.
그러나 긍정으로 쓰일 때는 「상단히, 꽤(ずいぶん)」란 뜻을 갖는다.
・なかなかできない。 좀처럼 잘 안된다.(부정)
・なかなか面白い。 상당히 재미있다.(긍정)
②泣きながらつい寝てしまいました。
「つい」는 「무심결에, 그만」이라는 뜻으로 습관처럼 되어있는 일이나 생각과는 다른 무익식인 행동을 하게 되었을 때 쓰는 말이다.
・彼はアルコール中毒だから、つい酒を飲んでしまう。 그는 알코올 중독이라 무심결에 술을 마셔버리고 만다.
③せっかくの北海道の夜なのに~
「せっかく~のに」의 꼴로 「일부러, 애써서(わざわざ)」라고 하여 유감의 뜻을 나타낸다.
・せっかく来てくれたのに留守にして… 모처럼 와주셨는데, 부재중이어서…
韓国人にとっての北海道
こここらはテキストから離れますが…
せっかくなので韓国人がもっている「北海道」のイメージについてもちょっと調べてみました。
北海道も言えば、日本の中でも人気の観光地が多い魅力的な土地ですよね。
韓国人にとっても、北海道は日本の中でも特に比較的若い世代に人気の高い旅行地です。
もちろん、距離的にも近いし、美味しいものが多いとか、雪まつりなどの大きなお祭り、韓国(ソウル)ほどは寒くないなどの分かりやすい理由で人気が高いというのもあります。
ただ…
私たち日本人にとっては意外な理由でも、人気の高さを保っているよう。
今回はそれについて書いてみます。
韓国人が愛してやまない日本映画「Love Letter」の舞台
上のテキストの「小樽」という部分でもちょっとふれていますが、北海道は有名な日本映画の舞台となっている場所がいくつかあります。
その中でも、韓国で特に人気が高いというか、「日本映画といえばこれ!」と言われる作品のひとつが、岩井俊二監督の「Love Letter」です。
(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/contents?movieId=3262#photoId=1348430
私は正直、韓国を好きになるまでこの作品のことは殆ど覚えていませんでした。
多分一度は観たはずだけど、記憶に殆ど残っていない…。
でも、韓国の人たちにとっては特別な作品だそう。
なぜなら、この映画が韓国で日本映画上映が解禁されて、初めて作品だったからなんです。(韓国公開1999年)
それまでは映画館では日本映画を観られなかったのですが、結構最近のことでビックリです。
韓国の人にとっては、いよいよという感もあいまって、公開された当時は日本映画としては異例の140万人を動員!
冬になれば思い出される映画、韓国では初恋といわれて思い浮かべる映画の代表作として定着しました。
その人気は根強く、2020年の12月23日に5度目のリバイバル上映も果たしました。
「Love Letter」は、ヒロインの博子が初恋相手の樹を事故で亡くし、懐かしさを込めて送った手紙に、また別の樹から返信が到着し、胸の内に秘めていた初恋の記憶を思い浮かべるという作品。
北海道の幻想的な雪景色と、淡く切ない初恋の描写の調和が美しく、公開から数十年がたった今も多くの人の中に残っています。
その人気ぶりが分かる要因のひとつが、博子役の中山美穂さんが「お元気ですかー」と叫ぶシーン。
このシーンは韓国でもとても有名で、日本語で「お元気ですか」という言葉が通じるほどです。
(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/contents?movieId=3262#photoId=1069330
「Love Letter」人気の秘密は「キャッチコピー」や「翻訳のうまさ」にも
もちろん作品自体の魅力もあると思いますが、ここまで韓国人の心をつかんだのは、その字幕翻訳にあるようです。
まずは、そのキャッチフレーズ。
오늘도 당신이 그립습니다.
日本語にすると「今日もあなたが恋しいです(懐かしいです)」。
日本国内で上映していた当時のキャッチフレーズは「拝啓、藤井 樹様。あなたは誰ですか?」と、手紙の書き出しになっていました。
つまりは、韓国オリジナルのものということです。
ミステリアスな感じで興味が湧くのは日本のキャッチフレーズだと感じますが、「初恋」という淡く切ないイメージにあっているのは韓国語のキャッチフレーズな気がします。
그립다は「恋しい」「懐かしい」などのニュアンスがありますが、どちらの訳にしても作品の持つ雰囲気にぴったりです。
また、これだけで「Love letter」だと韓国人ならみんなピンとくるという「お元気ですか」という台詞。
中山美穂さんを知らなくても、「Love letterのお元気ですかといっていたショートカットの女性」といえば、だいたいの韓国人がわかるほどだそうです。
この「お元気ですか」の翻訳も気が利いているそう。
잘 지내시나요.
日本語にすると「いかがお過ごしでしょうか」みたいな感じですが、幅広くとらえれば、”지내시나요”には「お元気ですか」という意味合いも含まれるそう。
あえて一般的な言葉をチョイスされたことで、より現地の人々の心にすっと入ったようです。
人気映画「鉄道屋(ぽっぽや)」の舞台も北海道
また、「Love letter」に続いて2000年2月に公開されたのが「鉄動員(ぽっぽや)」ですが、こちらも韓国で人気を博した作品の1つです。
(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=1598#photoId=1000418
「鉄道員(ぽっぽや)」の主人公としてよく知られていた高倉健さんが2014年に死去したときは、韓国の聯合ニュースは「日本を代表する俳優」としてその死去を報じ、「理想的な日本男性の象徴のような卓越したイメージを築いた」と称賛しました。
そんな作品のロケ地である無人駅の「幾寅駅」は、北海道「富良野市」からJR根室本線で約50分の場所あります。
映画では「幌舞・ほろまい」と言う地名で登場していますが、この駅や構内は今でも人気の観光スポットのようです。
ちなみに、「鉄道屋(ぽっぽや)」以外にも、生前約200本以上の映画に出演した高倉健さんは、2001年に日本で公開された映画『ホタル』にも主演しています。(韓国では2002年に公開)
この作品は日韓両国間の歴史的な痛みと和合を描いていますが、主人公山岡を演じた高倉健さんの印象深い演技に韓国のファンは魅了されたそうです。
北海道が人気の理由が、映画のロケ地だからという理由はビックリでしたが、日本映画が公式に公開されるようになった背景なども含めるととても興味深いなと感じました。
映画に限らずですが、そういったことを理解した上で「人気の理由」を知ると、思いがけず日本にいると気づけなかったことにもふれることができますね。
当たり前のことかもしれませんが、興味をもったらどんな些細なことでも、まずは調べてみるのも大切な気がしました。
さてさて、今回もテキスト自体の内容より補足内容のほうが多くなっちゃいましたが、今回はここまで!
今日も見てくださってありがとうございます!
また、次回の更新でお会いしましょう