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ドラマ、映画

李朝最大の謎を元にした芸術作品!韓国映画「王の運命 ― 歴史を変えた八日間」を観ました!

投稿日:2020年8月3日 更新日:

안녕하세요?
oulmoonです。

 

都内は飲食店の再自粛要請が濃厚になってきましたね。

この記事が上がる月曜日にははっきりするのかな?

 

現状を考えるとなんとも複雑な気持ちもありますが、そんな中で発覚した政府の布マスク配布について…。
「そんな無駄使いするなら別のことに税金使ってよ」とさすがにあきれましたが、世間のバッシングをうけてかマスクは備蓄に回すことにしたそうでホッとしました。

 

政治を司るには私たちには分からないようなとんでもない苦労があるのだろうけど、それにしてもこんなにも国民の感情を逆撫でする行動ばかりするのもすごいな。

前から疑問を感じることは多かったけど、特に最近の安倍政権は恐怖さえ感じます。

 

 

 

観て欲しい韓国映画の一つ「王の運命 ― 歴史を変えた八日間」

 

さて、前置きはこの辺で本題へ。
今回は、最近見た韓国映画のご紹介です。

 

「政治」という意味では、前置きと繋がりがなくもない?

 

韓国映画「王の運命 ― 歴史を変えた八日間(사도)」

 

王の運命 ― 歴史を変えた八日間(Wikipedia) → 

 

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1037808

 

ハングル:사도 
漢字:思悼 
英題:THE THRONE
ジャンル:歴史、時代劇
公開
韓国:2015年9月16日
日本:2016年6月4日 
上映時間:125分 
監督:イ・ジュニク 
出演者
ソン・ガンホ:朝鮮第21代国王 英祖
ユ・アイン:思悼世子 – 英祖の息子
ムン・グニョン:恵慶宮 – 思悼世子の正室
チョン・ヘジン:暎嬪 – 思悼世子の生母
キム・ヘスク:仁元王后 – 英祖の継母
パク・ウォンサン:洪鳳漢 – 恵慶宮の父
ソ・ジソプ:朝鮮第22代国王 イ・サン(正祖)※特別出演

 

 

 

【概要】 

韓国公開初日に26万5千人の観客を動員し、『王の男』『王になった男』を超える大記録を樹立!

18世紀の朝鮮王朝を舞台に、第21代王・英祖と王位継承者である実の息子(思悼)との確執を、二人を囲む女たちの人生や政権争いなどを交えて描く歴史ドラマ。

残されている記録を元に、李朝最大の謎(米櫃事件)と言われる大事件へ新解釈を打ち出した作品である。
英祖を一人の人間として描き出しており、王でなければならない苦悩、父の愛を渇望する息子の狂気など、緊迫したドラマが繰り広げられる。

監督は『王の男』、『ソウォン/願い』などのイ・ジュニク。
主演は父・英祖役にソン・ガンホ、息子である思悼役にユ・アイン。

朝鮮王朝史上最高の名君といわれた「イ・サン」が誕生するまでの、その祖父と父の心の葛藤を上手く描いている。
壮大で哀感に満ちた物語に加え、重厚な衣装や美術にも注目。

韓国で観客動員数624万人を記録し、第52回百想芸術大賞で大賞を受賞した。 

 

 

 

【あらすじ】

朝鮮第21代国王の英祖(ソン・ガンホ)は40歳を過ぎてから生まれた息子の思悼(ユ・アイン)を、自分と同じく学問と礼法に秀でた世子(後継者)に育て上げようとする。

しかし、英祖の意に反して、世子は芸術と武芸を好む自由奔放な青年へと成長。
英祖が抱いていた世子への期待は怒りと失望に転じ、世子もまた、親子として接することのない王に憎悪にも似た思いを募らせていく。

(写真提供元)https://img1.daumcdn.net/thumb/R414x0/?fname=http%3A%2F%2Ft1.daumcdn.net%2Fmovie%2F34414b5691be675f7e4accebadd2e6eadde58587

 

心のすれ違いを埋められぬまま、小さな歪はやがて大きな確執へと膨らんでいった。
世子を失脚させようとする反対勢力の策略も加わり、ついに歴史を激震させる出来事が訪れる。
1762年7月4日、悲劇の八日間が始まる─。 

 

 

 

【感想】

CSでも何度も放送されていたし、名優達の評価からしても、韓国の歴史の一つとしても観るべきだと思いつつ、実際に観るまでに時間がかかった作品です。
権力に翻弄された、いかにもな内容かと思うとどうにも気持ちが前向きになれず…。
でも結果的に観てよかったです。
色々と考えさせられた作品でした。

まぁ、実際に見終わるのには、時間がかかりましたけど

当時の歴史をよく知らないので、出てくる人の関係性をいちいち調べながら観たんです。
映画館で観てたら、疑問に埋もれてついていけなかったかも。
家で観て良かった(笑)

当然といえば当然ですが、関係性が分かると内容の理解力も変わるもの。
これから観るかたには人物同士の関係性を整理してから観ることをお勧めします!

※今回は歴史的にも結果をよく知る方も多いので、ネタバレ傾向が強いです。

 

 

英祖と思悼の関係性について感じたこと

この作品は、思悼に対する英祖の怒りが頂点に達し、思悼が米櫃に閉じ込められた8日間を描いた事件を元にしたフィクションです。
閉じ込められた初日から8日の流れをみせつつ、合間合間にそれまでの英祖と思悼との葛藤や周りの人物の動きなどを細かく取り入れています。

親子でありながら王家に生まれたが故の悲しみや陰謀、夫婦でありながら息子のために夫を犠牲にするしかなかった恵慶宮の苦悩がうまく表現されています。

親子の情の在り方にスポットを当て、時間軸を適宜戻すことで長い歴史ドラマを綺麗にまとめている作品です。

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1040040

 

ただ!
英祖と思悼の性格故なのか、それとも王としての立場故なのか、個人的には英祖が理解できないことが多々ありました。

いや、親としての経験値がないせいかもしれませんが、正直「息子の思いを理解しつつも、王としての立場ゆえだろう」と思いたくても「英祖の性格か」と思わずにはいられないシーンが結構ありました。

思悼も、周りから見たら「奇行」といわれるようなことをしているかもしれませんが、父である英祖の度重なる厳しい言動に精神が蝕まれていったのは理解できます。

 

思悼が父王の公務を代理で遂行する代理聴政が行われたのはまだ15歳のときのこと。
少しでも英祖から激励されていたなら違ったかもしれませんが、度々英祖が浴びせたのは怒号と暴言たち。

ただでさえプレッシャーが大きいのに、多くの家臣の前でダメ出しされれば、深く傷つき精神状態が不安定になっていったのも納得です。
だって、個人的には当初思悼が打ち出した政策は間違っているようには聞こえませんでした。
その証拠に、仁元王后はじめ思悼の政策に納得していた人達は沢山いたし。
これも立場の違いというやつかもしれませんが。

 

英祖は朝鮮王朝の歴代の君主の中で最も長生きし、最も長い在位期間を誇りましたが、父としてだけでなく、王として必ずしも良き人物とはいえなかったように感じました。

もっというと、個人的には「合わないものは型にはめるべきではない」と思っているので、勉学に力を注げなくても武芸には秀でていた思悼を活かすやり方はあっただろうに…と思いました。
「王たるもの、政治が出来なくてどうする」的な考えが今とは段違いに強い時代に、弱点を見せてはたちまち殺されてしまうという立場ならそんなことも言えなかったのかもしれませんが。

 

こんな悲しい事件があったからこそ、イ・サンという偉大な王が誕生したというのなら、これもまた「運命」というのかな…。

 

そういえば、「思悼」という名前の意味が最後に出てきたのですが、これまたせつなかったです。

英祖が、亡くなった息子に贈り名として「哀しみ(悼도)」を思う(사)者として送った「思悼世子」名前。
本当に悲しみしかない親子関係でした。

 

この世とあの世を分かつまで、親子としての対話が出来なかった二人。
一度でも冷静に対話できたなら、こんな悲劇に至らなかったのでしょうか。
お互いの思いを伝えつつ、「王の運命」をうまく消化できていたなら良かったのでしょうが、この親子は意地っばり過ぎるところがそっくりの性質。
悲劇はなるべくして起きたとのかもしれません。

 

ただ、親子の関係がどんどん悪化していく中で、時より放つサン(思悼の息子)の光に満ちた言葉に救われました。

英祖と思悼の関係はあんなにもゆがんでいたのに、思悼とサンの関係の深さに心打たれました。

思悼は英祖以外の家族にも、徐々に異常な行動をみせるようになりますが、それでもふとした瞬間には、サンと互いを思いやるような言動をします。

どちらも相手に対して情があり、「理解したい、理解してほしい」という思いがあるからこそ成り立った関係だったのかと。
サンが聡明な上に、祖父や父の意地っ張りな性格を継いでいなかったからという相違点からきているのかもしれませんが。

 

 

役者や作品について

配役は、安定した演技力をもつ名優たち。
時を追って生まれてくる、それぞれの心のひだを上手く演じ切っていて、私も感情をかなり揺さぶられました。
それぞれ感じたことを少しずつ書いてみます。

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1040043

 

英祖を演じたのはご存知ソン・ガンホさん。
40代から80代までの英祖を演じてますが、流石の貫禄です。
後半は声帯まで潰しての力演だったそうです。
父親としての思いと、代々の王が重ねてきた「果たすべき運命」に対する責任に苦しむ英祖の姿をこれでもかと表現していました。

 

 


(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1052936

 

思悼世子を演じたユ・アインさんの狂気に満ちていく姿も凄かった。
精神の崩壊へ向かっていく様にしても、死に向かっていく様にしても「あぁ、人とはこうして変わっていくのか」と自然と納得させられる演技力に魅せられました。

 

 

さらに、思悼の息子のイ・サンを演じた子役もまた素晴らしかった。

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1051332

 

誰もが恐れる英祖の前で、「礼節よりも人の心のほうが大事」とはっきりと言いきる彼は、父親の心にちゃんと寄り添っている息子の姿を完璧に演じていました。

 

ここのシーンの英祖、思悼、サンを演じた3人の名演技にぐっと惹き付けられました。
もしかしたら英祖も、サンの言うことは百も承知だったかもしれません。
でも、英祖の在位中5回も息子に譲位しようとしていたのに結局しなかった彼の弱さ。
また、王の運命をもった父親に親子の情を求めてしまい、その欠乏感をサンに救われた思悼の弱さ。
王としての立場を理解しつつも、父親への思いも大切にしたサンの人間味。
イ・サンが、偉大な王と評価されることを理解するのに十分なシーンでした。

 

そしてイ・サン役で特別出演したソ・ジソプさんがまた素晴らしい!

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1046832

 

ラストでは、非業の死を遂げた父の魂を浄化させるような舞をサンが舞うのですが、それが美しかった。
それは父が最後にもっていた扇子を使って、思い出に残る父の姿を表現した舞なのですが、父への思いが全ての所作で表現されているのです。

ソ・ジソプさんは今回ノーギャラで特別出演したらしいのですが、子供の頃のサンをそのままより聡明にさせたような、未来の偉大な王の姿を予感させるような、出演時間は短くとも美味しいところを全部掻っ攫っていくような(笑)演技でした。

 

 

王室と政治に翻弄された女性陣もさすがの貫禄でした。

キム・ヘスさんとか、あの英祖が怯むほどの存在感でオーラが凄すぎる!


(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1045300

 

ムン・グニョンさんにしてもチョン・ヘジンさんにしても、女性としての当時の息苦しさがひしひしと伝わってきました。

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1045297

(写真提供元)https://movie.daum.net/moviedb/photoviewer?id=85306#1045298

 

それぞれがそれぞれの立場で、どれほど思いを隠して生きていかねばならない時代だったのか。

今の時代に生きているからかもしれませんが、私には無理だ!
逆にいうと、今の時代やこれからの時代は「個を活かす」ということがより大切になってくるなとも感じました。
我慢して周りに合わせているだけでは、どんどん生きにくい世界にシフトしているんだと。

 

そういえば、劇中に何度かかかる荘厳でダイナミックな梵唄(ぼんばい)がまた強烈でした。
オープニングにそれが流れただけで一気に世界感に引き込まれます。
これから見せられる狂気を予感させ、またかの曲によって受ける印象から、上で書いた3人のシーンの顛末にビリビリしました。

映像、音楽、脚本、役者、どれも素晴らしいこの作品。
観終わった後はなんともいえない苦しさを感じるのも事実ですが、良い映画とはそういう余韻を残すものかもしれません。
観た人一人一人に何かを必ず感じさせるような見ごたえのある名作の一つだと思います。

 

 

ちなみに、有名な韓国ドラマ「トンイ」は英祖の実母の物語です。
フィクション要素もかなり多いと思いますが、「宮廷女官チャングムの誓い」や「イ・サン」など含めて、またちゃんと見てみたい気持ちになりました。

 

 

▼今回も参考程度にどうぞ!
「王の運命」ユ・アイン“ソン・ガンホ先輩の前で演技を語るのはきまりが悪い”

「王の運命」ソン・ガンホ“ユ・アイン、人見知りの性格が僕と似ていて楽でした”

ユ・アイン「僕は自分の人生を憎み、愛してる」

「王の運命」イ・ジュンイク監督“『期待しないで欲しい』という僕の言葉、効果がありましたか?”

 

 

では、今回はここまで!

 

今日も見てくださって、ありがとうございます!

また次回の更新でお会いしましょう

 

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