独特な視点で家族との繋がりを考えさせるドラマに出会いました
안녕하세요?
oulmoonです。
年末に録画したままずっと観ておらず…
さすがにそろそろ…と見た作品です。
最近忙しくて、ますます録画した作品が溜まっていくのですが、短編作品はこういう時に優先して観る順位が上がりますね
違うように泣く(다르게 운다)
KBS短編ドラマ(スペシャルドラマ)「違うように泣く(다르게운다)」(公式ホームページ) → ★
(KBSWORLDホームページより)
制作:2014年
KBS第二ドラマ
出演:キム・ソヒョン(リュ・ジヘ)、ソン・スンウォン(リュ・ジハン)、キム・ヒジョン(ジヘの母)、オム・ヒョソプ(ジヘの父)
概要
高校生という多感な時期に、自身も傷つきながら家族の痛みを知り、それぞれがそれぞれの方法で心の痛みから乗り越えていく家族再生ストーリー。
キム・ソヒョン(怪しい家政婦)、ソン・スンウォン(ミュージカル俳優)出演!
キム・ソヒョンは本作品で『2014 KBS演技大賞<連作単幕劇賞(女性部門)>』を受賞!
<2013年 KBS脚本公募大会 最優秀賞 当選作>となり、韓国放送通信電波振興院の「2014年放送番組の制作支援事業 選定作」に選ばれた期待の短編作品!
KBSWORLD公式ホームページより
あらすじ
ジヘは母子家庭で育った女子高生。
家族は離婚後仕事人間になってしまった母と、高校中退で不良仲間と付き合う兄。
家族仲は不穏だが、学校では優等生でとくに英語が得意な彼女は、ある日成績優秀者のみ参加できるイギリス研修に行く生徒として選ばれる。
初の海外でパスポートを申請しに区役所へ向かうジヘだが、思いもよらない事態にショックをうける。
未成年者のパスポート取得には保護者の同意が必須だが、彼女の保護者は6歳の時に分かれたままの父リュ・ジョンチョルとなっていることが知らされたからだ。
家族のために何度も挫折しそうになりながらも、イギリス研修に参加するために奮闘するジヘなのだが…。
感想
「短編ドラマ」というだけあって、60分と短く、あっという間に見終わります。
が、優秀賞をとっただけあって、物足りなさは感じられませんでした。
設定はありきたりですが、視点の描き方や、主演のキム・ソヒョンをはじめ、演技力の高い役者が揃っているのも大きい気がします。
見終わった後、ほっこりする感じ?
離婚して母子家庭になった親子3人が、それぞれに痛みを抱え不満を抱えながら日々生きています。
その痛みから衝突しあい、いびつになってしまった家族の形を、ある出来事をきっかけに再生していく話です。
主役のキム・ソヒョンさんは子役出身なのですが、最近よく見かけるのでご存じの方も多いのかと。
彼女の海外研修をきっかけに、閉じ込めていた過去の扉を改めて開くことになった彼女ですが、話の中で何度も出てくるキーワードが「虫の声」。
ゴキブリよりも、セミやコオロギなど、鳴く虫が心底嫌いな彼女なのですが、その理由が「虫の鳴き声=家族の心の叫び」だということがあとあと分かってきます。
家族との度重なる衝突の末、
「彼女の嫌いな虫の声」=「いつも自分に突っかかってくる母や兄」
そう思っていたのが、母や兄にとっては自分も同じだったと気づいたジヘ。
「自分は黙って息をひそめていなければいけなかった」と思い、家族とより距離をとろうとする彼女ですが、パスポートの件で10年ぶりに連絡がついた父から「そんな、生き方はダメだ」と言われます。
実はこのお父さん、アルコール中毒だったことが原因で妻から離婚されたのですが、その後も体調を崩してつらい生活を送っていました。
更に医者から末期ガンだと宣告され、最後は家族と生活したいと祈っていたところに、パスポートの件で娘から連絡をうけたので最後の頼みの綱を手繰り寄せた気持ちだったよう。
それ以降、何度も何度も「お父さんが一緒に暮らせるように、おまえからお母さんたちに話してくれ」とせがんできていました。
正直それまでの父親の様子がとても感じが悪かったので、電話でそんな台詞をはいたときもあまりいい印象はなかったのですが、彼はそれを遺言に亡くなってしまいます。
最後の最後で、娘に父親らしい言葉を伝えて大切なことを気づかせるきっかけを作りました。
そして、成長するにつれて不良になっていた兄も、実は父親に妹ばかり可愛がられ、孤独を抱えていたことが分かってきます。
いつも無表情で何を考えているか分からなかった彼の心が、実は泣いていたんだとわかったジヘ。
自分から兄に心を開き始め、彼も同調するように少しずつ変わってきます。
ちなみに、ジヘの兄のジハンを演じるソン・スンウォンさんはミュージカル俳優として有名な方のようです。
私はドラマでしか見たことないのですが「甘い秘密」や「ヒーラー」「君を覚えている」などに出ています。
キム・ソヒョンさんに比べてパットしない感じでしたが、彼がゴキブリを怖がる直接的な理由や、「ジヘ = ゴキブリ」と考えたときに浮かび上がる間接的理由を思うとなかなか複雑で面白いと思いました。
そ」に最後の方の無邪気な笑顔はすごく素敵だったし
仕事人間でいつも問題を起こす兄にばかり気にかけ、ジヘに不満を感じさせていた母も、家族を養うために必死だったのだということが分かってきます。
見方が変わると言動一つ一つも「不器用なだけで子供二人を一生懸命育てている母」と見えてくるので不思議なものですね。
この母親役のキム・ヒジョンさんは多くのドラマに出演されているので、見ただけでピンとくる人もいると思います。
父の最後の言葉から、ジヘが変わり、父の死から兄や母も変わり始めます。
最後はこれから新しい輝く世界を予感させるようなシーンで締めくくられています。
ありきたりな設定に、ありきたりな展開だけれど、「虫の声」を使って独特な視点でメッセージを伝えてくる辺り、面白いです。
タイトルも、そこが分かってようやく「なるほどな」と思うものですし。
それぞれの立場と、過去と今の自分を照らし合わせた時に、共感されるかたも多いかもしれません。
もしどこかでこのドラマを見る機会がまたあれば、是非!
では、短めですが今回はここまで!
今日も見てくださって、ありがとうございます!
また次回の更新でお会いしましょう