バイオレンス復讐映画ではあるけれど…
안녕하세요?
oulmoon입니다.
今回は、最近見た韓国映画のご紹介です!
韓国映画「神の一手」
(以外、すべての画像元)https://movie.daum.net/moviedb/contents?movieId=78588
原題:신의 한 수
韓国公開日:2014年7月3日
日本公開日:2015年5月9日
ジャンル:犯罪、アクション、バイオレンス、ノワール
監督:チョ・ボムグ
キャスト:チョン・ウソン、イ・ボムス、アン・ソンギ、キム・イングォン他
上映時間:118分
動員観客数(韓国):3,566,852名
▼参考にどうぞ
【概要】
かけ囲碁で詐欺に遭い、全てを失ったひとりの男の復讐劇を描いたアクションノワール。
主演は「私の頭の中の消しゴム」「愛のタリオ」など数々の作品で人気のチョン・ウソン。
囲碁の世界を舞台に自身を奈落に落とした者に復しゅうを始める元棋士のテソクを演じている。
共演は「スーパースター☆カム・サヨン」など多数の映画に出演するイ・ボムスや韓国の国民的俳優アン・ソンギなど。
イ・ボムスはテソクが復讐しようとする相手サルス役を、アン・ソンギは視覚障害者だが慎重な動作で碁を打つジュニム役を演じるほか、サルスの肩を持つ元美人囲碁棋士役をイ・シヨンが担う。
その他、キム・イングォン、アン・ギルガン、チェ・ジンヒョクら演技派俳優が脇を固めている。
【あらすじ】
プロ棋士テソク(チョン・ウソン)は兄の掛け囲碁に巻き込まれ、その結果元締めサルス(イ・ボムス)の一団の陰謀によって兄を殺された上に、兄殺しの免罪を被り刑務所で服役することになってしまう。
サルスへの復讐を誓うテソクは、獄中で肉体を鍛えながら、姿の見えない謎の高手(上手い指し手)と囲碁の腕を上げていく。
そして数年後、出所したテソクは囲碁のプロたちと手を組み、兄のかたき討ちのため動き始める。
サルスへの復讐と最後の一勝負のために集まったテソク、ジュニム(アン・ソンギ)、コンス(キム・イングォン)、ホ・モクス(アン・ギルガン)。
犯罪によって腐ってしまった碁盤の上で、命を掛けた戦いが始まる…。
【感想】
期待しすぎて観るのも考えもの
この作品は、先生と「クェンティンダラーズ」を見たという話をした時に勧められた作品です。
「クェンティンダラーズ」の반전(どんでん返し)がすごかったという話から勧められたので、
てっきりこの作品もそうなのかと思いきや…。
確かにそれっぽいのもあったとは思うけど、반전としては期待したほどではなかったというのが正直な感想です。
ただ、色んな意味で突っ込みどころが結構あるので、苦手なバイオレンス系だけど観たあとに数日引きずるほどではありませんでした。
バイオレンス+復讐+囲碁の計算式の答えが…
ストーリー的にはよくあるというか分かりやすい流れです。
兄を目の前で惨殺され、自分もひどい目に遭った上に濡れ衣着せられて監獄へ。
そのなかで囲碁の腕を見込まれて力を貸してくれる人が増えていく。
出所してからは綿密な計画のもと復讐へ…。
復讐する方法は、もちろんすべての発端となる掛け囲碁。
バイオレンスと復讐の流れは、いかにも韓国らしいなぁという感じでした。
とくにお兄さんが惨殺されるシーンなんて、日本映画だったらここまでがっつり見せるかなぁという感じ。
(最近の邦画でこの手の作品は見てないからありうるかもしれませんが)
でも…。
それに加えて碁打ちの技術が光るなら面白かったけど、進めば進むほど「これ、囲碁関係ある?」という展開に。
黒幕に辿り着くために囲碁をする意味はわかるけど、それ以降に囲碁する理由がどんどん薄まっていきました。
囲碁で奪われたものは囲碁で取り返すべきという想いもあったのかもしれないけど、うーん。
そうなるともう、「そもそもここまであからさまにインチキ勝負するくらいなら、隠れてる碁を打ってる人たちが出てきて勝負した方がよくない?」とか、「結局は囲碁じゃなく殺し合いで勝負きめてんじゃん。」とか、妙に覚めた目でストーリーをおうしかない。
なんだか残念でした。
登場人物のキャラがみんな二次元チック
テソクの復讐の相手たちも、テソクの仲間も出てくる人はみんな漫画から飛び出してきたような設定でした。
まずはテソクの仲間ですが、掛け囲碁でサルスたちに人生をむちゃくちゃにされた盲目の囲碁の達人や義手がコブラみたいにメカニックっぽい碁打ちとか。
いかにも囲碁はカタチだけだけど、人を欺くのが得意なチャラ男とか。
敵側のボスキャラは冷血非道のインテリヤクザかと思えば、その手下は一見囲碁が強そうに見えてバカっぽいタイプばかりだし。
悪い大人に売られた浮浪者っぽい天才少女や、テソクの兄が殺される原因となった訳アリ女碁打ちもいます。
キャラ設定がしっかりしすぎているのか、すぐに死んじゃうであろうキャラとか見ただけで分かるくらいでした。
そのせいか、想像以上の반전は起きなかった…。
突飛な復讐方法の数々
以前、韓国のバラエティー番組「一泊二日」を見ていた時に、あるゲームで冷凍車の中にはいって碁石を使っておはじきの要領で勝負するというものがありました。
「限界のなかでいかに早く勝負に勝つか」という意味でも面白かったのでとくに気にしてなかったけど、その原作となったゲームがこの作品の中に出てきました。
こちらは冷凍室のなかで囲碁を打って勝敗を決めるというものだったのですが、結局は戦いで決着をつけるので笑えました。
もともとの流れもコントだし、あのチョン・ウソンが全身真っ白に凍らせて囲碁をやってる姿もなんだか笑えてしまう。
途中までは真面目に囲碁で勝負している姿が滑稽で、「なぜこの方法で?!」と。
命の危険を肌で感じながら囲碁を差す緊張感を出したかったのかなぁ🤔
その他の勝負でも、囲碁で勝敗を決めるものもあったけど、最終的には暴力で勝敗が決まるのでなんともいえない不思議な気持ちになりました。
タイトルの「神の一手」とは…
そんなわけで、アクションやバイオレンスばかり目立つのでストーリーの節々に出てくる「神の一手」という作品名がしっくりきませんでした。
最後の最後は囲碁だけで勝負して、「神の一手」で勝ったんだったら少しは違ったのにな。
あと、もう1つ納得いかなかったのは指し手が自分より高手の支持をバレないように受けながら指すシーンが多いこと。
そんな風にこっそりするより、むしろ「代打ちで」としたほうが良かった気がします。
まぁ、バレないように巧妙に細工しながら勝負するスリルを視聴者に感じさせたかったのもあるかもしれませんが。
まぁ、最後の辺りで「神の一手」とは「日々真面目に働いて生きること」的なまとめ方をされていたので、わざと神業を出さなかったという意図もあるのかもしれませんね。
名役者ぞろいのキャスト陣は満足だったからこその物足りなさ
疑問を感じる点は結構ありましたが、韓国らしいシーンも結構ありますし、出演陣もなかなか豪華で楽しめます。
チョン・ウソンさんのかっこよさは言わずもがなで、女性をくどくシーンの甘い表情なんて溜め息もの!
「あんな顔されたら、そりゃ堕ちちゃうでしょ!」と思わずにはいられないくらい素敵でした。
敵のボス役のイ・ボムスさんも冷酷な非道っぷりはさすがでした。
以前「スーパーマンが帰ってきた」という韓国の育児バラエティー番組で、子煩悩なお父さんの姿を見ていたので、余計にギャップを感じました。
ただ、イ・ボムスさんがどうこうってわけじゃないのですが、全身刺青ってちょっと度を越して不気味に見えるものなんですね。
それがまた相手を威嚇するのかもしれないけど、背中にバーンとあるくらいの方が美しく感じるんだなぁと新しい発見でした。
盲目の名手役のアン・ソンギさんも素敵でした。
この人が画面にいるだけで、静かな存在感がすごいというか、「画になるなぁ」と。
髭をそってスーツを着た瞬間の変貌っぷりもさすがでした。
チェ・ジニョクさんは甘い彼氏役も素敵だけど、こういう悪役も小生意気な感じで意外と良かったです。
イケメン2人の登場自体も嬉しいけど、キャラクター的にもチョン・ウソンさんと正反対でその小物っぷりも良かった。
キム・イングォンさんも個人的に好きな役者さんです。
その名助演っぷりは相変わらずだし、あの抜群のキャラクターがストーリーに面白さを倍増させていました。
ストーリーが平凡だったからか、役者陣が厚すぎたせいか、キャラクターが活かしきれていなかった気もしますが…。
その辺りは、塀のなかでテソクの碁の実力を上げてくれた謎の「鬼手」の存在も含めて続編に活かされるのかな?
▼ちなみに続編はこんな感じです
神の一手:鬼手編
2014年に公開された碁打ちたちの詐欺に遭い全てを失った男の復しゅうを描いたアクションノワール「神の一手」がアップグレードしたスピンオフシリーズ。
原題:신의 한 수:귀수편
原題訳:神の一手:鬼手編
邦題:鬼手
韓国公開日:2019年11月7日
日本公開日:2020年8月7日
ジャンル:犯罪、アクション
監督:リ・ゴン
キャスト:クォン・サンウ、キム・ヒウォン、キム・ソンギュン、ホ・ソンテ、ウ・ドファン
観覧等級:15歳以上観覧可
上映時間:106分
“クォン・サンウ主演映画『神の一手:グィス編』、囲碁アクションに漫画的な想像力を用いて前作と差別化を図る | KBS World”
今回は結構ネタバレ的なことも書いてますが、さして大きな반전もないから、ある程度ストーリーを分かっていても色んな意味で楽しめる作品だと思います。
この作品に興味を持ったかたは、試しに見てみてくださいね。
では、今回はここまで!
今日も見てくださって、ありがとうございます!
また次回の更新でお会いしましょう