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ドラマ、映画

韓国映画「ワン・デイ 悲しみが消えるまで(原題:어느날)」を観ました!

投稿日:2021年9月10日 更新日:

「愛って?」「人生って?」と、見終わった後に考える映画

 

안녕하세요?

oulmoon입니다.

 

 

今回は、先月末に見た韓国映画のご紹介です!

たまたまCSをつけたらやっていたので見たのですが、色々と考えさせられる作品でした。

 

 

 

韓国映画「ワン・デイ 悲しみが消えるまで」

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

原題:어느날
韓国公開日:2017年4月5日
日本公開日:2017年07月29日
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ

上映時間:113分
監督:イ・ユンギ 「素晴らしい一日」「愛してる、愛してない」「男と女」など
キャスト:キム・ナムギル、チョン・ウヒ、イム・ファヨン、ユンジェムン、パク・ヒボン他
友情出演:ユン・ジェムン、キム・ヘオク、ソンジュン(妻の弟)

 

 

▼参考にどうぞ

ワン・デイ 悲しみが消えるまで(公式サイト)

ワン・デイ 悲しみが消えるまで(Wikipedia)

어느날(나무위키)

어느날(다음영화)

 

 

 

【概要】

 

事故で昏睡状態の女性と、自由に動き回る彼女の生霊が自分にだけ見えてしまう保険調査員の男が織りなすファンタジー・ヒューマンドラマ映画。

 

主演は「パイレーツ」「無頼漢 渇いた罪」のキム・ナムギルと、「ビューティー・インサイド」「哭声 コクソン」のチョン・ウヒ。
監督は「愛してる、愛してない」「男と女」などで、さまざまな男女の愛を描いてきたイ・ユンギ。

 

俳優・キム・ナムギルが2年振りに主演した映画で、これまでの役柄とは異なった表情にも注目したい。

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

 

 

【あらすじ】

 

火災保険会社の課長イ・ガンス(キム・ナムギル)は、最愛の妻を事故で亡くしたことで深い悲しみを抱えるようになり、それ以降無気力な日々を過ごしていた。

 

そんな中、ガンスは後輩から厄介な保険案件を引き継ぎ、事故の調査の為に被害者が入院している病院を訪れる。

 

ある事故の加害者が示談を求めるも、被害者の代理人が示談に応じないため、ガンズが示談交渉することになったのだ。

 

被害者の病室には、交通事故で2カ月近く植物状態にある視聴覚障碍者のタン・ミソ(チョン・ウヒ)が寝ていた。

 

そこでガンスに背後から声をかける青い洋服の女性の姿が。

驚く彼に「私が見えるの?」としきりに尋ねる女性。

そんな彼女をガンスは気味悪がり、慌てて病室から出ていく。

 

後日、再び病室を訪れ、またも青い服の女性と対面したガンス。

 

しかし、ふと目に入った病室の鏡に映る自分の隣に、彼女の姿は映っておらず……。

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

 

 

【感想】

技術力の高さに心奪われる

 

この作品をみたのは、本当に偶然でした。

 

コロナのワクチン接種2回目を受けた直後で、まだ副反応も出る前の比較的穏やかなタイミングで、たまたまCSでやっていたので視聴。

 

何の前情報もなく見始めたので、コメディなのかもラブストーリーなのかもホラーなのかも分からない。

でも逆に気負わずそのままを感じられるかなと…。

 

 

そんな状況で見始めた本作ですが、ストーリーに対する感想の前にまず、その映像美に拍手!

 

「切なくなるほど美しい」という表現が私の中ではしっくりきているのですが、黄昏ていく空やノスタルジックな海辺の街と海岸など、ずっと見ていたいと思うほど美しかった。

 

技術陣が光とか色の作り方がとてもうまいのだなと感じました。

 

「せつなくて心揺さぶられる」という点では、本作のストーリーとも共通するところがあるかもしれません。

 

いや、だからこそこの美しい映像美が作られたのでしょうけれど…。

 

 

 

主演2人の演技力が作品の説得力を高める

 

主演のキム・ナムギルさんは、私はドラマ「サメ」などのイメージが強いので、クールでセクシーな印象が強かったのですが、本作ではこれまでのギラギラとした感じとは違った表情を見せています。

仕事中はそこにでもいそうなほどほどにやる気のないサラリーマン、でも実は妻の事故死から立ち直れず今も悲しみの沼にとらわれていて…と、所謂「リアルな男性」を演じています。

その姿が本当に自然で、イ・ガンスという人間が彼そのもののように感じさせる演技力はさすがの一言でした。

 

 

ヒロイン役のチョン・ウヒさんは、「ビューティー・インサイド」で初めて意識した女優さんですが、その瑞々しさというか、透明感というか、凛とした空気をまとった素敵な魅力があるなと注目している女優さんです。

彼女がこれまでの演じていた役柄は、インパクトが強いキャラクターが多かったのですが、本作での印象はどこにでもいるような共感しやすい女性そのもので、逆にそれが新鮮に映りました。

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

事故によって幽体離脱したヒロインが、目が見えるようになったからか好奇心の塊のように明るく主人公を巻き込んでいく様子は、あたかも一人二役かと感じさせるような変わりようでした。

 

魂となった彼女の明るさは、ストーリーにコメディっぽさも吹き込んでいたように感じます。

 

 

 

でもラストは…

 

そんな2人が出合い、魂の交流を積み重ねていくことで次第に2人の距離は近づいていきます。

 

ただ、2人の間にあるのは恋愛感情というよりも、お互いのおかれている今に「同情」や「共感」しているほうが正しい気がします。

 

相手の立場も苦しみもわかるから、寄り添えるし、自分のことのように力になれる。

 

そうして行動していくうちに、それぞれの過去と今、それに伴う葛藤がより鮮明に明かされていきます。

 

なぜ彼女は事故にあったのか。

なぜ彼の妻は事故死したのか。

 

それぞれが抱える現実はとても重く、それでありながら構成上あまり悲壮感を感じさせないようにしつつも真実が明かされていくので、結果的に次第に心に何とも言えない思いが降り積もってきました。

 

徐々に明らかになっていく真実は、まるで薄紙を少しづつ積み重ねて気づいたらとても重くなっていた…という感じでしょうか。

 

2人の悲壮感をとても丁寧に描いているので、そんな風に感じたのかもしれません。

 

 

ものすごく重たいテーマを掲げている作品だけど、ストーリーの展開や演出が、2人の絶妙な関係性をそのまま表しているようで、そういう意味では興味深かったです。

 

最終的にはストーリーの回収も全部ちゃんとできていたし。

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

ただ、ラストは賛否両論あると思いました。

 

少なくとも、個人的にはこういう終わり方にしてほしくなかった。

 

物語のラストとしては、綺麗にまとまっているのかもしれないけれど、後半からラストに向けての描写があまりにも美しく切ないので、余計に違う形のラストを期待していたのかもしれません。

 

イ・ガンスの気持ちもタン・ミソの望みもわかるけれど、それでも出来ることならラストの現実に戻された「目覚め」のような終わり方はしないでほしかったな。

 

「命とは」、「人生を生ききるということ」、「大切な人と過ごす人生」、「残された後の人生」、色んな意味で深く考えさせられた作品でした。

 

そういう意味では、残念に思いつつもいい作品なのかもしれません。

 

 

 

【ネタバレ】※ラストを知りたくない人はここでストップ!

 

上でも書きましたが、最後の最後に向かうまでは、本当に丁寧に積み重ねられたいい作品だなぁと感じていました。

 

浜辺で主人公が事実に向き合うシーンなんて、その映像美と音楽とが相まって素晴らしかったし。

 

そこでこの物語は収束を迎えるかのようにもみえたし、個人的には後味の悪くない終わり方をするのかと勝手に思っていました。

 

陳腐で申し訳ないけど、事実を受け入れたガンスをミソが傍らで見守るような。

 

そんな穏やかなハッピーエンドになればいいなと。

 

 

でもそうじゃなかった。

 

ガンスはミソの願いを聞き入れ、彼女の生命維持装置を停止させてしまいます。

 

物語の流れ上、そう決断してしまっても仕方ないようになっているから、分かる気はしますけどね。

 

ガンスにとっては、ミソの願いはガンスの妻と重なるものがあったと思うし、だからこそ「今度は理解してあげたい」という感情が出てきてもおかしくないと思うし。

 

そして、同時に「妻を自殺させてしまった罪悪感を、ミソの願いを叶えることで許されたい」という思いもあったのではないかと思いました。

 

その両方があるから、病院を出た後の彼はどこか吹っ切れたようにも見える気も。

 

 

あとね、もしかしたら妻が亡くなった時点でも、ガンスは少なからずはホッとしたのかもしれないな…とも考えました。

 

ホッとしてしまった妻への罪悪感があったから、彼は葬式に参列せず、妻の部屋に入れなかったのかもしれないな…と。

愛する妻が居なくなった事実を認めたくないからではなく。

 

そんなことを考えると、余計になんとも言えない気持ちになり…。

 

 

ふと、「これって韓国映画だから余計にこんなにも心に突き刺さるのかなぁ」なんてことも感じました。

 

もちろんそれだけではないと思いますが、韓国映画って直接的な表現方法を選びやすいというか、夢を見させるより現実的な結論で問題を直視させる作品が多い気がして。

 

だからこそ人の心を揺さぶる作品も多いのだとは思いますが。

 

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

もし私がそれぞれの立場なら一体どうするだろう?

この作品は、見ている側一人一人に「あなたならこんな時どうしますか?」と問いかけられている気がします。

 

大切な人を失いたくない思い、大切な人を幸せにしたいという切実な思い、大切な人を失う悲しみ…。

 

失ったものは元には戻せない。

 

でも、失われていく過程にもそれぞれの人の思いがあり、その思いの数だけ真実がある。

 

違和感は感じつつも、そんなことも含めて色々考えさせてくれたという意味では、いい作品かもしれないと今まとめながら感じています。

 

 

(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=104789

 

 

もしこの作品が気になったら、是非ご覧くださいませ!

 

 

では、今回はここまで!

 

 

今日も見てくださって、ありがとうございます!

また次回の更新でお会いしましょう

 

 

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