韓国初の盗油犯罪を描くクライムアクション・エンターテイメント!
안녕하세요?
oulmoon입니다.
年開けてから比較的忙しかったのですが、3月4月と日をまたいで帰宅することも続き…
2月に観た映画の感想をようやくまとめることが出来ました。
いやー、感想をまとめるのって一番時間かかるので、本当に時間がかかりました。
観た映画はまだいくつかありますが、とりあえず一番時間が経っているものからご紹介していきます!
韓国映画「パイプライン」
(画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=132347
(以外、すべての画像元)https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=132347
原題:파이프라인
韓国公開日:2021年5月26日
日本公開日:2022年2月4日
ジャンル:クライムアクション、エンターテイメント
監督:ユ・ハ
キャスト:ソ・イングク、イ・スヒョク、ウム・ムンソク、ユ・スンモク、テ・ハンホ、ペ・ダビン、
上映時間:108分
韓国観客数:139,818名(韓国)
▼参考にどうぞ
【概要】
送油管に穴を開けて石油を盗み、転売する特殊犯罪「盗油」を韓国映画で初めて正面から取り上げ、本国公開前から大きく話題を集めたクライムアクション。
それぞれ訳アリの盗油師6人が、人生逆転を夢見て危険極まりないミッションに挑む姿を描いた犯罪ドラマである。
本作の主役で、一大ミッションのリーダーを担う最高峰の穿孔(せんこう)技術者を演じるのは、「応答せよ1997」「元カレは天才詐欺師」をはじめジャンル不問で多くのファンを虜にするソ・イングク。
『君に泳げ!』以来8年ぶり映画復帰を飾り、洗練されたブランドスーツを着たまま穿孔を行うイケメン姿から、ボロボロになりつつも敵に立ち向かう母性本能くすぐられる姿まで、多彩な魅力を披露している。
その他配役としては、数千億ウォンの盗油作戦を計画する大企業の後継者に、モデル出身で『チャ刑事』などに出演するイ・スヒョク。
また、ミッションに合流する5人の盗油師たちに、『海にかかる霧』などのユ・スンモクら、映画やドラマで幅広く活躍する実力派俳優が脇を固め、個性あふれるキャラクター予測が繰り広げる予測不可能なチームプレーを描いている。
監督と脚本を手掛けるのは『マルチュク青春通り』、『江南ブルース』など、作品毎に韓国の現実を鋭く捉えながらも、人間の繊細な内面を表現してきたユ・ハ。
実際に地下道を掘って作った巨大なセットから手持ちカメラによる撮影のダイナミックさまで!
「バトル・オーシャン/海上決戦」、「最後まで行く」でお馴染みの韓国を代表する製作陣が総出演し、本作だけの完成度の高い世界観を作っている。
【あらすじ】
盗油業界最高の穿孔技術者(ドリル技術者)である通称ピンドリ(ソ・イングク)は、大企業の後継者ゴヌ(イ・スヒョク)に数千億ウォンの石油を盗みだす一大計画を持ちかけられる。
ピンドリはその依頼を断りきれず、盗油メンバーの一員として危険な作戦に参加することになる。
チームメンバーは、プロ溶接工の“チョプセ”(ウム・ムンソク)、地中を透視できるかのように把握している“ナ課長”(ユ・スンモク)、怪力の人間掘削機“ビッグショベル”(テ・ハンホ)、彼らを監視する“カウンター”(ペ・ダビン)の4名の訳ありの“盗油師”たち。
しかし計画のタイムリミットは刻一刻と迫っていく中で、異なる目的を持つメンバー同士が同士が騙し騙され、警察には追われ、スポンサーからも圧力をかけられ…盗油作戦は予想外の方向にこじれ始めていく!!
【感想】
構成力の大切さを改めて感じた作品
送油管から石油を盗んで転売する闇仕事なんて珍しい題材だし、ストーリー的にハラハラドキドキの設定のはずなのに…。
正直言うと、個人的にはイマイチな作品でした。
基本的に盗油のために地下を掘りまくるという地味な作業シーンが多いため、派手な見せ場にはいまひとつ乏しいものの、序盤でピンドリが超難易度の高い技を駆使して盗油に成功する姿はテンションも期待もぐんぐん上がる!
さらに韓国映画らしく激しい競争社会や格差社会の歪んだ構造がストーリーに組み込まれているし、韓国社会を知っている人も知らない人もそれぞれに感じるところは多いと思うし。
そして、そんな世の中に嫌気がさした負け組たちが奮起し、一致団結して勝ち組どもの鼻を明かすという下剋上ストーリーも分かりやすくていいと思う。
でも、徐々にドタバタ感が過ぎていく感じとか構成的に丁寧に描くべき部分が雑に流されている感じがして、序盤で引き込まれた分、後半になるにつれ尻すぼみ感が拭いきれませんでした。
ドラマにしろ映画にしろ、「どれだけのめりこめるか = 共感できるか」が大事だと思うのですが、本作を視聴中、終始どこかで客観的に分析してしまっている自分がいました。
制作側ならむしろそういう感覚が必要なんですけどね。
一方では入り込んで素材に向き合う自分と、一方では客観的に構成とか全体を把握する自分と。
でもそれはあくまで制作する側の話で…。
一視聴者として、時にはのめりこむのが怖すぎてあえて客観視しようとするパターンもあるけど、今回はそれとは違う感じ。
「素直に五感で面白いかどうかというのは、やはりのめりこめてこそ(= 作品の構成力次第)なんだなぁ。」と改めて感じた作品でした。
途中の二転三転するドタバタ感がちょっと雑で勢いで進めている感じが否めなかったので、もしかしたらこの作品はドラマとして1クールくらいの尺で作った方がより面白さも伝わったのかも。
短い時間でパンパンに詰め込んだのが、結果的に尻すぼみになってしまったのかもとも思いました。
下手したら、ただの「イケメン推し映画」に見えてしまいそうでかなり残念。
キャラクターたちの見せ方について
ソ・イングクさんとイ・スヒョクさんの二人が出てきた時点で、個人的には韓国ドラマ「ナイショの恋していいですか!?」を自然と思い出してしまいました。
あの作品の二人は、それぞれやんちゃ坊主と一見クールだけど実はさみしがり男子という女子受け間違いなしのキャラで、回を追うごとに男性として成長していく感じが「いかにも女性受けしそうなイケメンたち」ながらも結構好きでした。
なのですが!
今回のイ・スヒョクさんのキャラクターはヒール役に振り切ってて、なんだか~🙄
見た目がもともとすっとしたクール系の美形さんなのでそういう役にしやすいのも分かるけど、あそこまでヒール役に偏らなくても。。。
そのせいか逆に薄っぺらくて安っぽいキャラに感じちゃいました。
もう少しどこか人間味がある方が複雑さが出たんじゃないかって気もするけど、むしろあのキャラにしたからラストはあれで落ち着いたのかな… 🤔
そして、主役のソ・イングクさんのほうは、これまた想定内にとどまる感じのキャラで…。
今回のような設定なら仕方ないのかもしれませんが、もう少しギャップのあるキャラでも面白かったのかもと思いました。
自分の腕しか信じていないというのはいいけど、もっとぶっ飛んでる感じにして、そこから変化が出てきてメンバーたちとの確執も徐々に良くなっていってみたいな展開の方がよかったかも。
どちらにしても、せっかくの設定が活かしきれていない感じがします。
もう少しその辺をうまくやったら、2人とももっと魅力的にうつったのではないかと。
その他キャラクター達も、ある程度キャラ付けはされているんだけど、彼らに対してこちらが感情移入する前に話が展開しちゃう。
そのせいか、それぞれにふりかかる展開に対してこれまた冷静に見てしまうというか。
それぞれのバックボーンと今の状況をもう少し丁寧に積みかねることができたら、それぞれに対して喜怒哀楽が生まれたのかなと思いました。
まぁ、2時間切る時間の中でそれをやるのはかなり難しいので、しょうがないと言えばしょうがないのですが…。
▼メンバーたち
チョプセ(ウム・ムンソク씨)
ナ課長(ユ・スンモク씨)
ビッグショベル(テ・ハンホ씨)
カウンター(ペ・ダビン씨)
後々になってキャラクターとか展開を振り返って、「あそこで伏線回収してたのかな」とか思うところもあって、もう一度見たらもっと面白く感じたのかもしれません。
だからこそ、余計にもったいないなぁとも思います。
まとめ
ラストのネタばらしは自分の中で予想していた通りで、「え!こんな分かりやすいオチ?!」と別の意味でおどろきだったけど、結局はあれでよかったのかなと思います。
とういうか、あの流れだとそう締めるしかなかったのかなって感じ。
繰り返しになっちゃうけどワクワクする斬新な設定にハラハラするストーリーでも、構成がだめだと結局はグダグダで終わってしまうセオリーを体現したような作品でした。
特に、ただのコントのようになってしまったクライマックスは特に残念。
あれだって描き方によってはもう少し感動的になったかもしれないけど…🤔
シリアスならシリアス、コメディならコメディでちゃんとやらないとグズグズになっちゃう。
序盤がいい感じだっただけに、なおさらです。
展開的にはテンポもいいし観やすい。
でも、決して面白かったわけではない。
ただ全く面白くなかったとも断言できない。
コメディ要素もあるのに、「笑わかそう」という意図が見え見えでむしろシラケてしまうのも、客観的に引いてしまた要因かも。
韓国映画のクライムアクションエンタメなんて言われたら、見る前から期待値がかなり上がっちゃうのもあると思いますけどね。
当たり前だけど、韓国映画だってすべてが完璧なわけじゃない。
こういうパターンもあるってことで。
ちなみに、上映前にソ・イングクからのメッセージがあったのはびっくりでした。
ファンならこういうのだけでも満足感あるかもですね。
エンディングでベンチャーズの曲に合わせて踊るキャストたちもファンにとっては嬉しいかも。
個人的には本編を引いてみていた分、どこかシラケた気持ちで見てしまいましたが…。
あれだってねー!
本来、本編に納得してたらファンじゃなくたってめっちゃ楽しめる趣向なんですから!!
そうじゃなかったから、自己満で終わったイベント後の打ち上げみたいな感じに映っちゃって勿体ないったら!
ファンには嬉しいといえば、映画のパン内容はソ・イングクさんの画像やインタビューが多めに入っていました。
少しお高めの価格だったけど、ファンなら納得なのかも。
あ!
オープニングとクライマックスにバックで流れるシャンテイズの名曲‘パイプライン’(1962年に発表)が使われているのはワクワクしました。
ちなみに、曲名と映画は同じタイトルですが、こちらの由来は本作に出てくる「石油送管」の事ではなく、サーファーの聖地であるハワイのサーフポイント「バンザイ・パイプライン」からきています。
また、6~9メートルの波が創る直径2m以上の水の管壁「パイプライン」に入るサーファーの姿と、本作のトンネル掘削現場の管内の光景を重ね合わせているとのこと。
名曲ってどんなに時が流れても心躍るんだなと感動しました。
否定的な感想になってしまいましたが、本作をみて今回感じたことを素直に書いてみました。
また観たら違う発見や感じかたがあるかもしれない。
願わくばドラマでもう一度観てみたいなぁ。
興味を持ったかたは、一度観てみてください。
では、今回はここまで!
今日も見てくださって、ありがとうございます!
また次回の更新でお会いしましょう